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笠原悠暉プロの盤上見聞録②~次の一手コラム~笠原プロのAIとの絶妙な距離感が面白いです。

  • hnagao0
  • 5 時間前
  • 読了時間: 3分

入段祝賀記念会の笠原プロ



こんにちは。棋士の笠原悠暉です。今回はコラムの第2回。さっそくネタ切れの危機でしたが、なんとか知恵を絞って引っ張り出してきました。題材としては次の一手形式で、その時自分が考えていたことを話していきたいと思います。宜しくお願いします。


研究会での早碁の対局。僕の黒番です。



この局面でどこに打つか。またどういった構想で行くか。現状の形勢は黒の強大な厚みに対して、白もかなり地を稼いでいて、ほぼ互角と言っていいでしょう。ちなみに例によってAI先生目線での正解は左下を利かす(白から3-十三の切りを打たれると黒が発狂してしまう)ようなのですが、対局中の両者は分かっていないので見なかったことにしてください(笑)



まずパッと目につくのは黒1のオサエ。しかし、2を利かされてから4あたり(具体的な着点はとても難しいです。AIの第一候補はここ)に転がされると、自信が持てませんでした。左上の白一団と4の間に入っていくのは成算が持てないので、勢い5以降で囲いあいを挑む感じになりそうですが、白14までとなると、左上の地模様が大きく、これはかなり形勢が悪そうです。黒1や、2のあたりは確かに穴があるのですが、このあたりは白から打っても白地は増えないところ。一方、左上は、白が打ったら白地が増え、黒が打ったら黒地が増えている、ような気がするところなので、相対的に価値が大きいと考えました。



ということで実戦は、黒1のこのあたりに打つ手を選びました。白は左上~左辺方面を何か受ける手も非常に有力ではありますが、このあたりはじっくり精査というよりは早碁の勢いということで、相手が打ってこなかったので白は2とハネ。ちなみに対局中の僕はここで「うっ……やはりそこ大きかったか」と後悔しています(笑)

とはいえ打つしかないので黒は3から一貫して左上を止めにいきます。黒19まで、先ほどの図と比べると左上方面の景色が大きく違うことがお分かりになるでしょう。まあその分右下も違うのですが白2の方面はお互い打ち方が難しく、意外と白もすんなり中央進出できないところ。3のタイミングで受けるわけにいかないというのもありますが、一旦放置となります。ちなみにAI先生によると、当たり前に思える黒17が少し悪手な模様。相手に打たれる前に4-九あたりを利かすべきだったようです。それは気が付かなかった……



参考までに、このあとの出来上がり図を載せておきます。

これは各所が味良く止まって、黒の立場でかなりうまくいっているので形勢はさすがに黒がいいのですが、左上を止めて、右下もこのラインで止まって、ようやく盤面10目程度?しか勝てないというのは、隅や辺の陣地って大きいのだなぁと改めて感じました。


実際の評価値的には、最初のテーマ図で、右下を止める手と左上方面に打つ手はほとんど差がないようなく、右下を止める手が不正解というわけでは決してありません。しかし、人間的な打ちやすさ、今後の構想の立てやすさを含め、自分らしい選択ができたのではないかと思います。


ということで今月のコラムはここまで。来月もお楽しみに♪

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