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笠原悠暉プロの盤上見聞録③~次の一手コラム~   笠原プロが次の一手にどう悩んだか?その局面のAIの驚愕の答えとは???だらけの本コラム。興味は尽きません。<4月> 

  • hnagao0
  • 2 日前
  • 読了時間: 4分

こんにちは。棋士の笠原悠暉です。

第3回目のコラムになります。宜しくお願いします。

これを執筆しているのが4月なのですが、季節の変わり目で体調は崩されていないでしょうか。かくいう自分は体調を崩してしまっています。ただ自分の場合は体調不良の原因の心当たりが多すぎて、どれが真の原因なのかが分からない状況……棋士は(も?)身体が資本であるため、しっかり体調は整えていかないといけませんね。


さて、そろそろ本題に入りましょう。


研究会での対局、僕の黒番です。


この局面から数手の構想を問います。という形式にしますが、今回の本題は正解図というよりも失敗図(変化図)。様々な勉強になる手が現れました。ちなみに先にネタバレをしておくと、実戦は大間違いの図を進んでしまいます。


まずパッと思いつくのは、1とアテていく図。手順で白4までとかわされます。

ここで放置するのは外側の黒が腐ってしまい、あまり良くない印象。しかし、コウを仕掛けようとしても、仕掛け方は7-十三と8-12の2通りあるのですが、どちらもあまり成算が持てない、というのが第一感でした。


つまり、この図は選べません!


………実戦での自分の着手や思考は後述しますが、AI先生的にはこう打った方が良かったようです。そもそも一番初めのテーマ図の黒1のハネが少し悪手で、ハネを打ってしまったらこんなもんだと。しかし自分はこの図はイメージできていませんでした。



実戦進行はこのようになりました。先ほどの図になった時に、黒1に石があると、7-十二の石がアタリになる意味があるため、1は間接的に中央の守りを要求している手になります。4,6は辛い守りですが、黒からの切断を防ぐためには仕方ない手。黒9まで、お互いに相手の意図を読み切ったプロらしい応酬です。


……と言いたいのですが、AI先生的にはこの図の黒3、白4が悪手とのこと。特に黒3は、こんなところを抜かれるわけにもいかず他にどう打つのか??というところですが…



上にアテていいみたいです。いや一瞬考えたんですよ?でもこんな手打ったら怒られるかなと思って……ちょっと今後の見通し、瞬間の形勢判断ともに必要となるため、この手順で強引に切断する図は自分は選べませんでした。


ちなみに切断したあとの進行の一例ですがこのようになる、とのこと。正直白4以降は一手も必然性が分かりませんが、「へーーーー」という感じで眺めてもらえれば構いません。自分も「へーーーー」以外の感想が出てきません(笑)

AIが示しているたちを見て、分からないなりに要約すると、白は捨ててもいいっちゃいいけど息があるなら活用していきたい。黒は辛い取り方はしたくない、という感じのようです。ほーーーーーーん


実戦図の白4では、1とこちらの薄みを突くのが良かったようです。黒は2,4と応じます。白5~7でこのラインを止められるので、実戦のアキ三角の愚形で守っている図よりは格段に良く見えますね。


黒の主張としては、6-十のアテから切断の狙いが残っていることでしょうか。しかし、ここをコウで切りに行くのは黒の負担が重く、まだ話が遠いため、少し白が打ちやすい形勢になりますね。


ちなみにこの図、黒は実際は4から打つのが正しく、この図に回帰することになります。ただ、実戦だと黒は2からハネるつもりでしたし、同じことのように思えます。

なんと白は3とこちらからノビるのがいい手のようです。

1とツケた人が4のところに切らないという発想は、言われなければ2万年経っても気づかなかったでしょう。先ほどの黒1子をすっぽかす手といい、そんな手があるんですね。本当に勉強になります。

この図を1つ前の図と比べると、黒への狙いは少しこちらの方が厳しそう。また、6-十の部分の狙いは自然と消えています。それほど大きな差があるわけではないですが、白としては明確にこちらの図が良さそうです。


頭が柔らかい手を示してくれるのはとてもありがたいのですが、AIがやった時は「おー、いい手だ!!」となるのに、自分が頭の柔らかさを見せようとすると急に評価値が50%下がることも多いのが困ったところです。


そういえば、この対局は変化図でもう1つとんでもない手を示されました。

2枚目の図の後、黒がすぐにコウを仕掛けた時にこの図になる可能性があるのですが、左上の黒が弱い局面で黒1と打つのがかなりいい手(最善手の可能性もある)みたいです。自分がもしこの手を打たれたら間違いなくクリックミスを疑います。


長くなるので詳しく解説はしませんが、左上黒が弱い今だからこそ、という手のようです。囲碁は本当に難しい……


今回は、「どんなことを考えて打てば良いか」という上達に役立ちそうな感じの記事ではなく、個人的に勉強になった「こんな手あるんですねーー」特集にしてみました。書いている自分でもうまく噛み砕けておらず、ちょっと内容が高等になりすぎた感もありますが、僕と一緒に「こんな手あるんですねーー」と思ってもらえればいいかなと思います(笑)ここまでご覧いただきありがとうございました。また次回のコラムでお会いしましょう♪


入段記念会で揮毫中の笠原プロ


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