【掲載譜】(1~100) 非戦派
金曜クラス12月決勝は、堅実派のⅯさんと本格派のTさんの対戦となった。両者とも慎重派であまり派手な戦いにはなりにくいかもしれない。しかし、時には切り結んで戦わないといけない時もある。
そこらあたりを見ていこう。
【第1譜】(1~7) ツケ
黒7とツケレば戦いの始まりである。
【問1】白はどう打つのが良いでしょうか?
【答1】シチョウがいい場合はハネてもいいのです。黒は2と切って来ましたが、、
【答1の2】「キリチガイ一方ノビよ」といいましてこの場合は、白3とアテてから白5とノビルのが
手筋です。黒6のカカエなら白7から9まで白成功です。
【答1-3】シチョウがものをいう場面です。白5のノビに黒6と渡れば白7とシチョウで捕れます
白のシチョウ良しがものをいいました。
【参考図】黒2から4と切っても黒16が成立しません。白17までシチョウで黒三子が取れます。
【参考図】白シチョウ良しがものをいった図を掲げます。黒2から4と切ってきてもシチョウが良いので白17と二子が取れます。
【参考図】白のシチョウがいいので黒は2のサガリくらいですので白3とツギ白は5と大場に先着できます。
【第1譜】(再掲)
【定石】黒5のコスミには白1とオサエルのが定石です。白3のヒラキまでで一段落、黒4と空き隅に回ります。
【第2譜】(1~18)
【問2】黒7のツケに白8とかわしました。黒の次の一手は?
【答2】黒1と先にハネルのが正解です。黒3まで十分なカタチです。
【第2譜】(再掲)黒13のツケに白16から18定石です。
【問3】黒の次の一手は?
【答3】黒1のカタツギが正解です。黒は隙の無いカタチです。
左上のシチョウが黒良しとなったので今度はハネずに白2とノビルくらいです。
【第3譜】(1~19) 断点
黒19のツギは失着です。
【問4】黒を咎める白の一手は?
【答4】白1のキリが正解です。白5まで隅の一子が取られました。断点を残してはいけませんね。
【問5】白1と切って黒8まで進みました。隅の二子を取る白の次の一手は?
【答5】 イタチの腹ヅケ
白9にツケルのが有名なイタチの腹ヅケという手筋です。白11まで白の手勝ちとなります。
【第4譜】(1~32) 中央大作戦
白は20の天元から22と中央を広げる大模様作戦です。
【第5譜】(1~42) 一段落
白42まで右下の戦いは一段落です。
【問6】戦いが一段落したら大場に先着するチャンスです。黒の大場は?
【答6】黒1とサガルのが最大の大場です。断点を防ぎながら白のキリを狙います。
下辺白2は黒3とツナいで何ともありません。
【第6譜】(1~57) 無用の一手
黒43は無用の一手でした。碁の敗因の第一は無用の手を打つことなのです。
【参考図】 三々の基本定石
第6譜の白46から黒57までをピックアップしました。白1から12までが、星に三々に入る基本定石です。実戦では見事に正しい定石を打たれています。
【参考図】黒12まで定石どおりですが黒が後手になって白に大場に先着されます。
そこで黒2と左から押さえて白13のツギまで黒が先手をとり黒14のサガリを利かして黒16のツケに回ります。黒22となれば白模様を荒らして黒もやれそうです。
【第7譜】(1~67) 黒67は不急の一手でした。
【問7】先手を取った白の次の一手は?
【答7】白1の三々を正解とします。隅を固めるのが最大です。白5までと囲い合いになれば白が勝ります。
【第8譜】(1~74) 三々の定石
白68は少し小さい手でした。先手を取った黒は73のツケの大場に回り、好調です。白74と外から
ハネて黒75のノビ、白76のオサエとなったので黒が三々に入ったのと同じ定石になりそうです。
【問8】黒の次の一手は?
【答8ー1】黒1のハネが正解です。ここで白は二段バネしてくるかもしれません。
【答8ー2】白2(2-十四)の二段バネには黒3のキリから5と辺に振り替わります。黒11まで隅を譲っても左辺の白模様を荒らせば黒もまあまあです。
【答8-3】白2の二段バネに黒3とツナグのもあります。白4ツギに黒5とツゲば黒は隅で活きますが上図よりは黒劣ります。
【第9譜】(1~79) 隅の死活
黒77のハネはいいとして黒79が失着でした。
【問9】白の次の一手は白先黒死の死活問題としてお考え下さい。
【答9】白1のノゾキが急所です。黒2とツギくらおですから白3とサガリます。
【第10譜】(1~80)
【問10】白80とハネたのは失着です。黒活きるチャンスです。今度は黒先白活の問題としてお考えください。
【答10】黒1のオサエが先手です。白2のツギに黒3と真ん中に打てば黒活きですね。
【第11譜】(1~84)黒81が失着です。白82から84となっては白死です。
【最終譜】(1~100) 隅が大きい
左下が死んで白勝ちとなりました。隅の大きさを痛感させられた一局でした。
隅の三々定石を覚えることをお勧めいたします。
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