去る令和三年(2021)8月20日に一年ぶりに全国少年少女囲碁大会が開催された。弊知得こども囲碁教室からは、村上晴久くん(小6)が兵庫県代表となり、念願の全国大会出場を果たしました。惜しくも優勝した吉田透真くんに敗れて予選リーグは突破できませんでしたが、善戦健闘しました。次回は一層の活躍を期待します。
村上晴久くん(小6)
予選リーグの模様
一回戦
柴田 然くん (茨城)
勝利
2回戦
高崎 美乃 さん (岐阜)
勝利
ここまでは順調にすすみましたが、
3回戦が難関です。勝てばベスト
16に名を連ねることができます
3回戦
吉田 透真くん (東京)
敗北
*吉田透真くんは、今大会、見事に優勝
を遂げた。
いつもそうだが予選リーグの3回戦を突破できるかが、大会上位入賞への鍵となる。
今回、晴久くんにはその分厚い壁が立ちはだかった。
それでは晴久くんの敢闘譜を見ていこう。私見では黒にも十分チャンスがあったようだ。
令和三年(2021)8月20日(金) 於日本棋院東京本院
【第42回少年少女囲碁大会全国大会予選リーグ三回戦】
互先 吉田透真(東京)
先番 村上晴久(兵庫)
【122手完白中押勝】
それでは、3回戦の東京代表吉田透真くんとの熱闘譜を見ていこう。
【第1譜】(1~12)ここまではプロ棋士の布石を見ているようだ。黒の次の一手は?
【参考図1】
黒1と受ければ普通の進行、白2も好点だが黒3とツケて黒も戦えます。
【第2譜】(1~22)白14の両ガカリに黒は15以下ツケノビで頭を出して、白22までとなりました。次の黒の一手は?
【第3譜】(1~28)黒23とハサムのが正解です。途中黒27のツケが好手、白28はどうでしたか
黒にチャンス到来です。
【第4譜】(1~32)黒27で断点を補ってから黒29と切れば黒もやれます。白32は少し辛い、
黒の次の一手は?
【参考図2】白6(15ー十六アテ)黒19(13-十七ヌキ)
(囲碁AI研究)黒1とツケてすぐに白を追及します。以下31まで黒もやれます。
【参考図3】黒5のツケには白8とカケツイで頭を出します。黒も9と戦います。白は下辺の白石を軽く見るのが良かったでしょう。
【第5譜】(1~33)黒33のカケツギが少し問題でした。白はここでどう打ちますか?
【参考図4】白1のツキアタリが相場でした。中央は手を抜いて黒も4と上辺のヒラキに回ります。
【第6譜】(1~50)白34から中央の競り合いになりました。黒37のツギが愚形となるのが黒の泣き所ですが白50まですすみ、黒の次の一手が勝敗を左右しました。
【第7譜】(1~56)黒53がほとんど敗着となったようです。強い石の方から攻めるいわゆる方向
違いでした。白54・56とカケラレて黒が苦しくなりました。
ハイライト図
【参考図5】黒53では、まず黒1・3を先手で決めて、黒7と右辺の弱石の方から攻めるのが良かったようです。これなら黒もまだ打てました。
【第8譜】(1~73)黒も57から59と反撃にでますが、白は一気に決めに行きます。黒73まで白が危ないように見えますが、、
【第9譜】(1~122)白74(13-七)
白74以下白80まで攻め合いは黒が勝てません。白はおそらく読み切りでしょう。さすがは今年の小学生名人です。
黒の晴久くんも形を作って潔く投了しました。晴久くんには貴重な経験になったかと思います。
この1局を通しておそらく一子以上強くなったように感じました。
若者は何かのきっかけで開眼するこがあります。その場に立ち会えるのが教室を営む醍醐味なのですが、晴久くんの次の飛躍に期待したいと思います。
ギャラリー
市ヶ谷駅の碁石モニュメント
Yorumlar