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笠原悠暉プロの盤上見聞録④~次の一手コラム~   盤上は未知の世界!AIは味方か敵か?AIが示した最善の一手とは?<5月> 

  • hnagao0
  • 5月18日
  • 読了時間: 3分

こんにちは。棋士の笠原悠暉です。

早いものでもう第4回。さっそくテーマ図を見ていきましょう。よろしくお願いします。



今回はテーマ図までの手順も見ていきましょう。僕の白番。

最近白1にハネ出さない碁が増えてきた気がします。黒2,4も有力な対応の1つですが自分はあまり経験したことがありません。黒8,10は僕は初めて見た打ち方。右上の配置を考慮した打ち方で、素直に1間に飛ぶ図より上を目指した機略のある打ち方です。さて、ここでの対応を考えていきましょう。正直どう打っても1局ですが、序盤から少しでも良い、あるいは自分が打ちやすい図を目指すのがプロとしての習性。さてどうしましょう。



まずは一番素直なノビ。甘いかと言われれば全然そんなこともなく、黒4まで互角の進行です。黒4は対応の一例で、右辺を打つにしても様々な打ち方が考えられます。ただ、4は手抜きもあり、実戦ではそれを想定していたのと、相手もその図を目指しているように見えるので、注文にハマっている感じがしたので、この図は避けたいと考えていまし

た。



一歩工夫した白1も候補に入ります。黒は切ったりハサミツケたりするのは無理な抵抗で、2と屈服するぐらいです。一見、二線を這わせて気持ちよく見えますが、黒8まで進むと、右辺の出切りが残っているのもあって、若干黒が打ちやすい進行に思えます。素直なノビやハネを廃案にしたということは、正解は……?



白1の外し、としたいと思います。ただ、ここで満足してはいけません。黒2とブツかられた時が作戦の岐路です。実戦で選んだのは3のオサエ。白7までの進行は非常に先ほどの図に似ていますが、右辺の出切りを緩和できていて、少し進歩しているように思え、この図を採用しました。ただ実際はそれほど変わらないようで、AI先生的には先ほどの図もこの図も「白イマイチ」の評価。自分自身も出来上がった後に「あれ…?これダメか?」となっていました。目数にすると1目も差はなく、そこまで不自然な、怒られそうな手を打っているわけでもないのですが、この後の実戦をノーチャンスで負けたこともあって、対局後は「右辺そんなに悪かったですかね?」とお相手に助けを求めていました笑


真の「正解」は白3の引きとしたいと思います。黒は当然4,6と出切ってきます(黒6は下を切る手もあるようですが、人間の直感的には厳しい)。持ち時間が短いこともあって、この後の進行をあまり精査せず廃案にしてしまいましたが、白は図のように素直に対応します。黒は12の気持ち良い利かしを打ちながら生きて、16までの評価がどうか。AI先生によると「白打ちやすい」ようです。ここまでの図と違い、右辺が止まっているため、白としては地に辛い意味がありますね。


黒としては少しこの図が良くないので、最初のテーマ図の10のハイでは……


黒1が良いようです。

いやそれは無理じゃないか???確かにこの地点にスベるのは一つの形ではあります。ただ戦線離脱している感もあり、初見で打てる手ではないでしょう。このあとはいくつかの路線が考えられますが、いずれも互角。ここにスベらないと(少しではありますが)悪くなるというのは、囲碁はなかなか難しい、世知辛いゲームだなと思いました。ただ、先ほども申しましたが、ここまで取り上げた図の「打ちやすい」「イマイチ」はそれぞれ1~2目程度の差。みなさんはそこまで神経質にならず、打ちたい手を打っていただければと思います。

それではまた次回のコラムでお会いしましょう。チャオ♪

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