火曜クラス9月決勝は堅実な棋風のNさんと強豪Iさんとの対戦となった。Nさんは強豪を打ち負かして優勝したいところだ。
【掲載譜】(1~100)
【第1譜】(1~12)黒11のケイマは最近の流行型で発展性に富んでいるが弱点もある。白はすかさずその弱点をついてきた。
【問題1】白12のツメに対して黒はどう打ちますか?
【解答1】黒1とコスミツケて3と上下の白を分断します。白4のヒラキなら黒5とハサみます。
4と5を見合いにするのが分かりやすいかと思います。
【第2譜】(1~13)黒は13とハサみました。白は黒をどう咎めますか?
【問題2】次の白の一手は?ヒント「ケイマにツケ越し」という格言があります。
【解答2】白1のツケコシを正解とします。隅が大きいので黒4のツギですが、白5とハって以下9までこれは白がやれます。
【第3譜】(1~14)実戦では白は14とケイマにスベって来ました。
【問題3】黒の正しい受けを問います。
【解答3】黒1のツキアタリが急所です。以下白6は必要な手、黒11のハサミまで黒良しです。
【変化図】白6の一間トビには黒7から9までが手筋で白三子がおちます。
【第4譜】(1~21)白16のツキアタリに黒17が失着でした。黒21まで白が先手で連絡しては
白良しです。
【問題4】黒17ではどう打つのが良かったでしょうか?
【解答4】黒1とオサエて黒を分断します。白6など隅が怖いですが黒11まで心配はありません。
【変化図】白2とフクランでも黒9まで右辺の白も眼形がないので黒戦えます。
【第5譜】(1~27)黒27の中央一間トビは好手です。
【問題5】白はどう打ちますか?
【解答5】白1の一間トビが相場と見ます。以下黒4となれば右辺が広がりますが中央黒三子が薄くなるのでこれからの碁です。
【第6譜】(1~31)白は28・30と地で頑張りました。黒は白を攻めて取り返しますが黒31ではもっと厳しい手がありました。
【問題6】黒31ではどう打ちますか?ヒント「攻めはケイマ」という格言を思い出して下さい。
【解答6】ここは黒1のケイマのボウシが正解です。ケイマは切れやすい形ですが攻めている時は相手が弱いので心配いりません。ケイマの方がスピードがあり封鎖の攻めには適しています。
封鎖された白は、黒11までかなりの犠牲を払って活きねばなりません。
【第7譜】(1~44)白44までほぼ白は活きましたが、黒も周囲に壁ができアツクなりました。
【問題7】ここで黒は先手を得て大場に先着するか更に白を攻めるかどちらを選択しますか?
【解答7】黒1のアテで追及します白2のツギなら黒7まで、これは白の命が危ないようです。
【変化図】黒1のアテには白2のサガリを効かしてから4とツグのがいいようです。白6で活きははっきりしましたが黒の外壁(アツミ)は益々アツクなり黒7と打てば左の白も攻めが狙えそうです。
【第8譜】(1~50)黒45からは堅実ですが大勢に遅れました。地を伴わないので地合いで不利になり後の打ち方が難しくなります。
【問題8】白が46とお付き合いをしてくれたので黒に先手が回ってきました。黒はどの大場に先着しますか?
【解答8】先手を取って大場に回りますが、黒1の小目に打つのが白の攻めを見て大きいようです。
白2から治まりにいきますが黒11となれば左辺に大模様ができます。
【第9譜】【1~58】黒51のカドは白にいきなりツケてノビラレたのと同じで不利な形になりますさらに白54のハネで「二子のアタマは見ずハネよ」の辛い形になるのです。
黒51では55の小目にカカルところでした。
【問題9】白58のツメに黒はどう打ちますか?
【解答9】ここは、黒1のハネを効かして先手を取り黒3と小目の大場に回ります。黒15までが一例ですが黒は左辺を地にできます。
【第10譜】黒59・61・63・71は緩着といってよいでしょう。代わりに64・72の大場に先着されて形勢が悪くなったようです。
【解答10】黒1のハイが最大のところです。白2は仕方がなく白10まで左辺にいい黒地ができました。
【最終譜】(1~103) 総評 Nさんには「先手を取って大場へ」の格言を贈りたい。秀策の囲碁十訣なら「棄子争先」(石を捨てて先手を取れ)であろうか、また勇気を出して攻めにトライして欲しい。厚い碁は攻めないと地合いを回復できない。形勢判断も厭わずに形勢が悪ければ勝負手を打つくらいであってほしい。色々うるさいだろうが、次のステージにすすめるよう頑張ってください。
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