7月決勝は、6月決勝と同じ組み合わせとなった。クラス随一の実力者Iさんに対してHさんはリベンジを果たせるのだろうか。
【掲載譜】(1~100)100手までの棋譜にすでに黒の敗因が見て取れる。黒の石は中央方面に集中
しているのが分かる。<中地囲うべからず>格言のとおり黒の効率が悪くなっているのだ。
【第1譜】(1~10)黒9のハサミは好手、白10は変化球だが、、
【問題1】黒1の一間トビは実は悪手、ここで白の次の一手は?
【解答1】白2と下にツケるのが正解です。白2の石を捨石として白12まで黒の一間トビを貫いて連絡できます。
【第2譜】(1~15)ここは黒11のコスミが正解です。9の下にツケても連絡できないのを確かめて
下さい。ここでは、黒15が緩手です。黒は白を攻めるところです。
【問題2】黒15ではどう打ちますか?
【解答2】黒1とツケて白を分断します。以下黒9まで黒の攻めが成功しました。
【第3譜】(1~24)白24とコスんで険しい局面です。
【問題3】白24に黒はどう打ちますか?
【解答3】黒1とオサエていいのです。以下7まで白が困っています。
【第4譜】(1~25)黒25はどうでしょう。
【問題4】白はどう打開しますか?
【解答4】黒4のツギに白5が急所です。黒が頑張っても白11までツブレになります。
【第5譜】(1~36)白36まで白が得をしましたが、この瞬間に黒のチャンスです。
【解答5】黒1と5の効き筋を頼りに黒3と白を封鎖します。白4には黒7と引いて黒の包囲網が完成です。
【第6譜】(1~48)白の封鎖には失敗しましたが下辺が黒地となりました。
【問題6】白48の様子見には黒はどう受けますか?
【解答6】黒1と大きく攻めます。黒3の受けが肝要です。4以下コウの手段は残りますが、白のキリ
(12-十二)が狙いとなります。
【第7譜】(1~50)黒49は緩手ですが、白50がどうでしたか。
【問題7】白50は白の失着です。白を咎める黒の一手は?
【解答7】黒1が正解です。白2と来られても黒5まで隅が取れました。
【問題8】ここで白はどう打つのがよかったでしょう?
【解答8】白1のノゾキが相場です。先手を取って9のツギに回れば白働きました。途中白7のコスミが黒の眼を奪って急所です。
【第8譜】(1~55)黒51は白を助けてしまいました。55まで一段落と見て白は56と大場に回りましたが、ここでは1局を決める急所がありました。
【問題9】この局面での急所の一手は?
【解答9】
黒1のコスミが大急所でした。従って白からもコスミを打つべきでした。白2とオサエても黒9まで単独で活きる手はありません。
【参考図1】白1と打てば黒6と大場に回られても白11まで黒も活きないのです。
いかに1のコスミがお互いの急所だったかが分かります。
【第9譜】(1~61)黒は中央に進出しますが地は損しているようです。
【問題10】黒57では黒はどう打つのが良かったでしょう。
【解答10】やはり1のコスミが正解です。黒を活かし、白の眼を奪う大急所でした。
白は2と繋ぐくらいですので、眼のある黒は、5から11と悠々と大場に回り地合いを回復します。
【第10譜】(1~83)中央に進出しても黒地は増えません。その間白は56・60・62と大場に展開して地が増えています。
【最終譜】(1~100)つまるところ碁は石の効率を競うゲームであることが良く分かる1局でした。
中央の地は手数もかかってあまり大きくなりません。そこに気を付ければHさんは大きく飛躍されると
思います。これからは詰碁に取り組まれることをお勧めします。捲土重来を期待します。
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