【掲載譜】(1~110) 最初の戦い
火曜クラスの堅実派の強豪Мさんと水曜クラスから越境参加の本格派強豪Tさんの対戦となった一局
最初の戦いが一局を左右することとなったようだ。
【第1譜】(1~14) 意外なツケ
サバキはツケよと格言にあるが、序盤早々に白の意外なツケである。上辺は狭いので、荒らしのためのツケはどうだったか。
【参考図】 模様の接点
白1と外からツケルのはいかがか、白7と模様の接点を占めて白まあまあである。
【第2譜】(1~22) キリチガイ
白18まで拠点をつくっても黒13が絶好のハサミになって白治まるまでは大変だ。白20のツケからサバキに入る。白22のキリチガイがいつも悩ましいところだ。
【問1】白22のキリに黒はどう打ちますか?
【答1】キリチガイ一方ノビよは有名な格言だがここは、キリチガイ弱い方ノビよと格言を改訂したいところ、黒1と三線の石をノビて白2のヒキくらいだから以下黒7まで白を攻めながら黒地が増えそうである。白はまだはっきり活きていないのである。
【第3譜】(1~29) 急所
黒23とアテて一歩間違えればどちらかが潰れるような戦いになった。
【問2】ここで白番。急所の一手は?
【答2】白1のハイが急所の一着、黒2で二子を助けても白3から左の二子を取り込んでは白のサバキは成功だ。
【第4譜】(1~30) 敗着?
白30が敗着になりかねない一手でした。
【問3】黒は白を咎めて下さい。
【答3】黒1を効かして3のオサエが急所です。白2子は取れますが黒7まで白には眼がありません。
【第5譜】(1~34) 同工異曲
31は余分かもしれませんが、白34までとなりました。
【問4】次の一手を問います。
【答5】勿論黒1のオサエが正解ですね。黒5と三目中手に仕留めて黒11まで外の黒も大丈夫のようです。
【第6譜】(1~49) 黒の決め手
黒35が決め手を逃しました。ここで36と黒が押さえれば前掲のとおり白がまいっていたでしょう。
白42のノゾキはキリを無くして悪手です。
【参考図】ここはたとえば白1のオシから種石を逃げ出す狙いのあるところです。黒4のツケがサバキの手筋ですが黒12までとなり後にシチョウが良くなれば白17のキリが有力な狙いになります。
切れる可能性のあるところはノゾイてはならないのです。
【第7譜】(1~53) アツミ
黒53のカケはアツミ(壁)をつくる打ち方ですが、この場合はどうでしょうか。
【問6】白はどう打ちますか?
【答6】定石どおり白1から三本這って白7と跳ぶのが適当です。下辺が白地になれば黒は中央のアツミを得ますが白に弱い石がないので黒のアツミがあまり働かないのです。
【参考図】黒53のカケでは黒1とハサムのはいかがでしょう。黒11まで下辺がいい地になりました
【第8譜】(1~62) デギリ
白54・56のデギリはシチョウがいい場合の白の手段です。白62まで白56の一子がシチョウに取られないのをお確かめ下さい。
【問7】ここでの次の一手は?
【答7】黒1のハネを効かして黒3の一間トビがカタチです。黒11が守りのカタチです。白もまあまあで相場といえます。
【第9譜】(1~71) 実利
黒63のケイマに白は64とハネて実利戦法をとりました。黒も67とカケツイで下辺が黒地になります。
【第10譜】(1~77) 三々
三々は常に隅の焦点です。白から取る手はないようです。
【第11譜】(1~80) 緩着
白80が緩着です。
【問8】白8ではどう打つのが厳しかったですか?
【答8】白1のオサエに黒2のコスミが好手ですが、ここで白は3と一間トビで止めるのが正着です。
以下黒8まで黒は完全に生きているわけではありません。
【参考図】白9のオキから黒を取りに行っても黒18まではみだしてしまいます。ただ、周辺の白が厚くなると黒も危ないのです。
【第12譜】(1~86) 最後の戦い
左下の黒も治まって局面が安定しました。白86と中央にケイマして最後の戦いです。
【参考図】左下の黒は黒5・7とハネツグのが得でした。白8のケイマには黒9と押さえて黒には狙いがあります。
【第13譜】(1~93) 生ノゾキとツケコシ
白90が悪手といえます。切れるところをノゾイて繋がせる手を生ノゾキといいます。ここは、91のキリの狙いを残すところです。
黒93はケイマのツケコシといって白を切断する厳しい狙いでした。
【問9】黒93のツケコシに白は94と躱していきました。黒は次どう打ちますか?
【答9】黒1のハネから3を効かし黒5と打つのが正解です。白を切り離して中央は黒地が期待できます。
【最終譜】(1~110) 好局
単に95のケイマでは白96が好手で白110まであまり白は損せずに石が繋がり中央は白が厚くなりました。黒95の逸機が惜しまれます。力の入った好局でしたが白に凱歌があがりました。見応えのある一局でした。両者の健闘を称えたいと思います。
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